東寺 五重塔
空海(弘法大師)の開基になる真言宗の総本山。正しくは、教王護国寺(きょうおうごこくじ)といい、平安京造営の際、国家鎮護のため羅城門の東に創建され、のち空海に下賜されたものである。境内には、金堂(国宝)、講堂(重文)が建ち並ぶが、中でも優美な五重塔(国宝)はわが国最大の五重塔である。今回特別公開される初層内部は、中央に須弥壇を設け、柱や長押を極彩色の文様などで埋める絢爛たるもので、心柱を守るように金剛界四仏が鎮座する。東寺五重塔を構想した空海は、心柱を真言密教の本尊である大日如来に見立て、周囲に四仏を安置したと言われる。この塔も落雷などで4度焼失したがその度に古来の工法で再建されてきた。現在の塔は、正保元年(1644)徳川家光の再建によるもので、約360年前の姿を今も保っている。
東寺 小子房
金堂の西側に位置する小子房は、昭和9年、弘法大師千百年御遠忌にあたり再建されたもの。内部は、鷲の間、牡丹の間、勅使の間など6部屋からなり、近代美術界で名を馳せた京都画壇のひとり、堂本印象が43歳の時に描いた障壁画で飾られている。牡丹の間、瓜の間などにはそれぞれ水墨の絵が描かれているのに対し、勅使の間には極彩色豊かな「渓流に鶴」が描かれ、水墨と金碧の世界を見事に融合させている。庭園は平安神宮の神苑などを手掛けた京都を代表する庭師、七代目小川治兵衛の作である。蓮華門(国宝)は、弘法大師が高野山に向けて出立した時、見送りに行った不動明王の足跡から蓮華が現れたという伝説からこの名が付いたとされる。
東寺 観智院
五重塔で有名な空海弘法大師ゆかりの東寺の塔頭の一つで、境内の北に位置する。延慶元年(1308)後宇多法皇が東寺に帰依し、21カ院の建立を予定したうちの一つと伝え、また、慶長14年(1609)徳川家康が黒印状を以って当院を真言一宗の勧学院と定めたことでも知られている。客殿(国宝)は、慶長10年(1605)に建立された武家風書院建築で、上座の間には床と違棚があり宮本武蔵の筆と伝わる水墨画「鷲の図」がある。庭園は、唐からの帰国の際、竜神の守護により難を免れた姿を弘法大師行状絵巻に因んで作庭された枯山水庭園で「五大の庭」と呼ばれる。
【時間】)午前9:30〜午後4:00 600円 (各寺院の受付で支払い)
【住所】京都市南区九条町1
【最寄】JR京都駅より徒歩15分
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